師僧に学ぶ

 私が師僧のお寺で修行の折、お施餓鬼の塔婆書きを師僧が一人でお書きになっているのを見た事があります。師僧のお寺の檀家は宗派一と思うほどの数です。所狭しと塔婆が山ほど積まれてありましたが、執筆や講演や葬儀や面談等々時間に追われ大変忙しい身にもかかわらず、直筆で書いておられました。労を惜しまず、一つ一つの御霊に接する敬虔な姿勢と真摯な思いを感じたものです。

私も見習って塔婆は自分の手で書き上げようとそのとき決心しました。以来、お彼岸や、戦没者の法要や、お盆の先祖供養に沢山の塔婆を自分の手で書き上げています。

師僧を真似ながら少しでも近づくことができたらと思っていますが、生涯かかっても無理なことは百も承知しています。しかし、それでも精進しないといけない自分の弱い心に言い聞かせています。

4月は日本では年度の始まる月です。また4月8日は釈尊の誕生日です。大願寺では、花祭の前の6日に子どもたちの特別加持を行います。赤ん坊から、高校生まで参加します。

新らたな気持ちで、四恩に感謝して、身の周りから学びとることのできる感性を育んでいただきたいと願っています。