密教の泰斗逝去

真言宗智山派の先の能化宮坂宥勝猊下が本日逝去されました。誠に悲痛極まりません。

想えば、私が照光寺で加行している時、私と同じ朝食を召し上がって無言のなかにも暖かい思いやりで励まして下さいました。私はそんな猊下の思いやりを一身に感じて寒さに負けず行に励んだものです。

 

「立てば箒、座れば学問、歩く姿は仏さま」と勝手に猊下のお姿を言葉にして自分を戒めたものです。

猊下のすることを真似て、掃除や梵鐘を打つお手伝いをさせていただきました。朝の勤行の後も一人でお経を唱えるようにと言われ、行の大切さを教えていただきました。

 

猊下は、従兄弟を特攻隊で失っています。慰霊のために沖縄に行きたい思いをもっておられました。私は、そんな思いの猊下をお迎えできるように、沖縄にお寺を建立することを決心しました。残念ながら、猊下をお迎えできる伽藍をいまだに築くことができません。ご存命中にご恩に報いることが出来なくて大変申し訳ないと思っています。

 

明日岡谷の照光寺に行って最後のお別れをして来ます。

永遠に猊下のご恩は忘れません。

必ず沖縄に伽藍を築き、法幢を翻す日がくることを約束いたします。