戒名

檀家制度のない沖縄では、遺族からお寺に直接葬儀の相談に来ることはありません。ほとんど葬儀屋さんからの依頼です。宗派は関係なく葬儀を行います。従って遺族は葬儀屋さんとの接触が多くなり、葬儀屋さんのいうことを信頼してしまいます。残念ながら、葬儀屋さんは仏教の教えを施しているとは言いがたいものがあります。

私は必ず式次第を葬儀屋さんに渡して、葬儀の説明を行います。戒名を授けるかどうかも確認をします。遺族にも戒名の意味、祭壇、仏壇の意味、法要の意味を説明いたします。それでも、必ずといっていいほど、身内に地元のユタの影響でお坊さんのいうことを聞かない人がいて、影響を及ぼす人がいます。葬儀屋さんも、仏具屋さんにも教えを曲げる人がいます。それを受容するお寺さんもいます。

特に戒名についてのトラブルは、本位牌を、折角授けた戒名を位牌の後ろに書いて表に俗名をかいてつくられるケースです。本位牌の開眼の時に困ってしまいます。

薩摩の侵攻で、お坊さんの説法を止めさせられ、お寺に民衆が行くことを止めさせられ、何百年もの間仏教が中断されてしまった歴史上の事情がありますが、葬儀屋さん、仏具屋さんの教育も重要です。

正しく仏教の教えを施すには、お坊さんも毅然として教えを施さないと、沖縄の風習として戒名の意味がなされず埋没してしまう怖れがあります。

沖縄のみなさん、お寺に足を運んで勉強しましょう。