入仏開眼法要

糸満市潮平に豊山派のお寺が1年前にできた。

住職の岡田弘隆僧正は地域にすっかり溶け込み、教化の成果を如何なく発揮して、1月30日に第30代豊山派管長、鳥居愼誉猊下を大導師に迎え僧俗500近い人が集い、盛大に4メートルを越す11面観音菩薩の入仏開眼法要が厳かに執り行われた。

岡田住職は、挨拶の中で感極まって涙する場面もあったが、沖縄に33観音霊場をつくる志を力強く述べられた。観音菩薩さまの威神力で戦争で亡くなった御霊を救い、沖縄を平和の島にしたいとの思いを熱く語る岡田僧正に敬意を表したい。4メートルを越す11面観音は沖縄一であり、平安・鎌倉時代の仏師、運慶・快慶の流れをくむ「慶派」の継承者である松本明慶大仏師によって謹刻された歴史に名を残す名作である。潮平のみなさんばかりでなく、将来沖縄の歴史的財産となることは間違いない。