調理師免許取得

信徒に不遇な女性がいる。ホームページをみてお寺を訪ねてきてきてから10年くらいたつが、なかなか思うような生活に恵まれなかった。

好奇心は旺盛で、向学心もつよいが、学歴がなく思うような仕事にもつけない。子どもが2人いるが、離婚を余儀なくされて、身障者の妹の面倒をもみながらがむしゃらに働かなくては生きていけない境遇にありながらも、くじけることなく頑張っている姿には感動を覚えざる得ない。

そんな彼女が、定職につくことができ、勉強して調理師免許を得た。おめでとうと心から拍手を送りたい。そんな彼女が手記を書いてくれた。

「今年の8月に調理師免許取得試験を受けました。ちょうど仕事が忙しい時期で試験勉強もほとんど出来ない状態での受験に「落ちても来年がある!」と半分諦めていました。9月に入り、いよいよ合格発表に日、私は、合格はまずありえないから覚悟しておこうと自分に言い聞かせていました。合格発表は保健所のホームページからも見られるということだったので、パソコンの前に座り、震える手を落ち着けながらパソコンのキーボードに手をおきました。ホームページを開き、上から順に自分の番号があるか指でたどり、私の番号の前・・私の番号・・えっ!私の番号!私は何かの間違いじゃないのか、もしかして採点ミスで合格になった?と、疑いました。自分の番号があったことがまったく信じられませんでした。保健所に免許申請の手続きをして、やっと実感が湧きその日はニタニタが止まりませんでした。二人の娘、障害を持った妹を抱え、安定した仕事に就けなく何年も悩み住職や寂然さんに相談したのも数知れず。調理師免許を取得したことによって、自分の目標が確立し、今の会社に就職出来た事、調理師免許取得試験を受ける機会を持たせてくれたこと、ただただ感謝の気持ちで一杯です。免許取得の報告をお寺にしたとき、住職、寂然さんは私の家族以上に喜んでくれました。また、寂然さんから「お父さんと、おばあちゃんもきっと喜んでいますよ」と、お言葉をいただき胸が熱くなりました。至らない私にたくさんの喜びを与えてくれた佛さまに感謝します。目標にむかって日々精進、日常生活に追われて忘れがちになりますが努めていきたいと思います。合掌」